From:YUKARI

グイドマッジファンの日本の皆様、
イタリアも少しずつ春の訪れを感じる様になってきました。
ほんとに春はもうそこまでという感じです。

さて先日、私の住むイタリア、プーリア州のレッチェから少し足を延ばして、
お隣のバジリカータ州の美しい世界遺産の街“マテーラ”に行ってきました!

レッチェからは、約200キロ離れているマテーラ。
車で行くとレッチェからは約2時間ほどで行けるのですが、
今回は私、電車を乗り継いで3時間ほどかけて行ってまいりました。

もう何度も行ってますが、やはり美しいマテーラ!
レッチェからプーリア州の州都バーリまで、
トレ二タリア(日本でいうJR)で北上し、
バーリからローカル列車でマテーラへと向かいます。


(バーリ駅)

 

マテーラへ向かう途中の車窓いっぱいに広がるのどかな田園風景。


(ローカル線の車窓から)

 

 

マテーラにつきました!


(SASSI)


(サン・アゴスティーノ修道院からの眺め)

1993年に世界遺産に登録され、
今や世界的な観光地としてイタリア中でも大人気です。
さらに、欧州連合(EU)から2019年度の
“欧州文化首都”という名誉ある都市として選出され、
今、大いに盛り上がっているマテーラ。

この“欧州文化都市”、2019年の一年間、集中的に都市開発、
観光客誘致のためにEUから優遇措置を受けるというたいへん意義のあるものです。


(欧州文化首都2019″マテーラ”)

その経済効果に計り知れないものがあるのは想像も難くなく、
我が街、レッチェも実はこの選出に立候補し、
なんと最終候補の数都市の中に残ったのですが、
最終選考で残念ながらマテーラに負けてしまったという苦い過去があります。

この欧州文化都市に選出されるには相当な難しいプロセスを踏まなくてはならず、
長期的に持続可能なよく考え込まれた文化啓発活動プログラムを提出しなければならず、
さらに市民がそういった活動、文化事業に積極的に参加する意向を持っているかどうか、
そういったことまで判断基準になります。

なので、今回、2019年度にマテーラが“欧州文化首都”として
選出されたことは市民と行政が一致団結してマテーラを盛り上げていこう!
と頑張っている姿が国際的に認められたといってもよいわけです。

現在でこそ、こうして世界中からの観光客がおとずれ、
イタリアを代表する観光都市として有名なマテーラ。
でもその歴史をひもとくと、悲しい過去の上に成り立っていることがわかります。

 

 


(渓谷につくられた洞窟住居)


(サッシ洞窟住居地区)

世界遺産として登録されたマテーラの“サッシ”と呼ばれる洞窟住居。
この洞窟住居がマテーラの人たちにとっての伝統的な住居なわけです。
だいたい第二次世界大戦直後くらいまでマテーラの人たちは、
人口の半数以上の人が洞窟の中で生活をしていました。


(サッシ内の生活)

洞窟ですから、下水道が整備されてない環境の中、
家畜と一緒に生活をしているという今では
想像もつかないほどの劣悪な衛生条件のもとで暮らしていたわけです。

当然、疫病の蔓延がひどく、幼児の死亡率もイタリアの平均値の4倍も高かったそうです。
高度経済成長の波に乗り始めていたイタリアのほかの地域にとっては、
目も覆いたくなるような、まるで、原始人のようなマテーラ人の生活。

”VERGOGNA DEL ITALIA , (イタリアの恥)”とマテーラは呼ばれ、
長い期間、このままの状態で放置され続けます。

そのころ、北イタリアから反ファシズム政治活動を理由に
このマテーラの地に流刑としてやってきていたユダヤ系のイタリア人作家、
医師でもある、カルロ・レヴィがこのマテーラでの滞在の記録を
“キリストはエボリにとどまりぬ”という著作に記して発表。


(カルロ・レヴィ)

この作品の中で貧苦にあえぐこのマテーラの地の農民の生活の後進状況を
赤裸々に記し、イタリア全土の関心がこの深刻な、
“南部問題(イタリア内の北部と南部の間にある経済格差問題)”
に注がれるようになります。

このカルロ・レヴィの著作が国民の関心を引き、1950年代に入り、
ようやくイタリア政府からのメスが入り、新たに法が整備され、
洞窟住居に住んでいたマテーラ人を洞窟から一斉退去させ、
新しい集合住居に強制的に移住させるという強硬措置が取られました。


(聖イドリス教会)


(聖イドリス教会の内部)

 

その結果、マテーラのサッシ(洞窟住居)地区は無人の廃墟と化します。
しかし、1993年、このサッシ地区の3,000戸に及ぶ洞窟住居、
150以上の洞窟聖堂が全世界的に見ても他に類を見ない
たいへん特徴的な文化遺産として世界遺産リストに登録されました。

その後は、メル・ギブソンが監督した、イエス・キリストの生涯を描いた超大作
“パッション”の撮影地として有名になるなど、
世界的な観光地としてのポジションを不動のものにしています。

 

いかがでしたでしょうか。
グイドマッジファンの皆様には、イタリア好きな方も多いと思います。

ローマ、フィレンツェなど、有名どこはもう見てしまったけど、
ちょっと足を延ばして知る人ぞ知る的なイタリアの街を
見たいという方にはおすすめのマテーラ!
まさに南イタリアの秘宝です。

—YUKARI

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